Skip to content

公衆電話にて

この1週間、毎日会うおばさんがいます。見た目は恐らく50代、恰好は少し薄汚れた、といった感じです。いつも通る道の公衆電話の近くに腰掛けてぶつぶつ言っています。
突然現れたのでなんだか薄気味悪いなあと思いつつ、おはようございますと挨拶をしました。すると挨拶した翌日から毎日、公衆電話で電話をかけているのです。
しかし、これは確かめたわけではありませんが、恐らく誰とも電話はしていないのです。つまり1人芝居です。

朝の通勤時ですから8時台です。その時間帯に公衆電話で1人芝居。正直申し上げると気持ち悪い。この一言に尽きます。しかも結構大きな声でわめいているのです。
言っていることといえば「昨日のテレビは面白くなかった」「2軒隣の何々さんの息子がうんたらかんたら」「仕事がない、お金がない」といったこと。愚痴ですね。
それをずっと、誰かに話すわけでもなく相手のいない公衆電話に向かって話しているのです。

ノイローゼか何かになってしまったのだろうかと思いました。変わった人はどこにでもいるものです。病気だと思えば、おばさんの行動は特段おかしなものではありません。
みんなが無視し続ければそのうち飽きてしまうだろうと思っていた矢先でした。なぜ私に矛先が向いたのかわかりませんが、突然話しかけてくるようになったのです。
しかも第一声が「電話するお金がないから貸して」でした。呆気にとられてしまいました。

本当に電話しているのか知りませんが、とにかくお金がなくて電話がかけられないそうです。じゃあかけなきゃいいじゃないか、と思いましたがおばさんは怒るばかり。
100円くらい貸してくれたっていいじゃないかと、大声で騒ぎたてます。私は通勤途中ですし急いでいたので、「他の方に借りてください」と突き放してしまいました。
すると翌日から「ケチな娘だ」と罵られるようになったのです。

さすがに無視するしかありませんでしたが、ある日、建物の管理人さんに注意されて家に連れていかれていました。何やら公衆電話に悪さをしたみたいでした。
電話を見ると、緊急時の呼び出しボタンが真っ黒に焦げていました。おばさんが吸っていたタバコを押し付けたようでした。それで管理人が注意をしたのだと思います。
それでも懲りず、今日もまたいました。暇で仕方ないのでしょうか。違う道を通るようにしようかと思います。

さすがに物騒なので、各社のホームセキュリティを比較してどこかにお願いしようと検討してします。
あのあばさんが家に入っていくることが怖いってのもありますが、街全体として最近は少し落ち着かないというか、危ない匂いを感じます。

何か起きる前では遅いので。